コロナ禍により二度延期となりましたが、2022年12月3日(土)13時15分から会場を東成区民センター2階大ホールに変更して開催いたします。会場が大きくなり定員数が増えました。朗読を学んでおられる方々、朗読ファンの皆さまのご来場をお待ちしています。
〈↓「関西朗読語りのひろば」10月臨時号より〉
この夏、コロナ禍で追い込まれた市井の人たちの苦境と心情をリアルに描いて、秀逸だったテレビドラマにNHK『あなたのブツガここに』(全24話)がある。尼崎を舞台に、29歳のシングルマザー(仁村紗和)が、お好み焼き店を営む母(キムラ緑子)の家に身をよせながら、宅配ドライバーとして奮闘していく話だ。
いろんな理不尽と出あう。膨大な量に増えた荷物、客からの容赦ないクレーム、時にウイルスの媒介者のように扱われ、転校生の娘もいじめをうける。ある夜、すっかり疲れ切った主人公が、売り上げが激減してもお好み焼き店続ける理由を母に尋ねたとき、母はこう答える。「いったん休んだらな、もう立ち上がられへん気いするんよ。逆にこのまま乗り切れたら、何があっても大丈夫な気いするし」
心に沁みるセリフでした。悲観より楽観。
会場にお客様を集め、生の声で、作品世界を立体化する。そういう朗読ライブがコロナ禍で奪われましたが、「熟成の時間」と思えばいい。で、おおよそ3年ぶりで、12月3日13時15分から「第10回関西朗読コンテスト受賞者朗読祭」を再開します。会場は密にならず、ゆったりした環境で鑑賞していただくように東成区民センター2階大ホールを準備しました。午後のひととき、熟成した「おいしい朗読」をぜひご賞味ください。
関西朗読コンテスト受賞者朗読祭担当 加藤敏躬